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緊急手術

2013年9月14日

テーマ:手術湘南鎌倉総合病院

今週はスタンフォードA型急性大動脈解離の緊急手術が2件ありました。
解離の恐ろしさの一つに、臓器灌流障害malperfusionがあります。これは異常な高血圧などが原因となり血管の内膜に亀裂が入り3層構造の血管壁に血液が入り込むことにより血管壁が裂け(解離)ていきます。もともとの血液の通り道(真腔)が解離腔(偽腔)により圧排され血液が流れにくくなったり、流れなくなったりすることで生じる病態です。心臓から出る太い大動脈の分枝が障害されることで起こります。冠動脈であれば心筋梗塞、弓部3分枝であれば脳梗塞や上肢虚血、脊髄動脈であれば脊髄虚血による下半身麻痺(対麻痺)、腹部の血管であれば肝不全や腎不全、腸管壊死、総腸骨動脈であれば下肢虚血として症状が出現します。ですので虚血所見がある場合には早急に手術を施行し虚血を解除する必要があります。状況によりバイパスなどの合併手術が必要となることもあります。手術が無事終了しても、上記臓器不全に至れば予後不良で命を落とすことがあります。

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